タイマー
2001年03月


 湯沸かしポットが老朽化したので買い換えた。
 側面にはシールが貼られていて、富田靖子さんが「省エネ」という文字を指差して微笑んでいる。はんたろうは富田靖子さんがけっこう好きなのでそのままにしてあるが、その富田さんのちょうど胸元に「ご使用の際はシールをはがしてください」とゴシック体で書いてある。ちょっとさびしかったりする。

 湯沸かしポットといっても侮ってはいけない。なにしろこんど引退したのが、何年も前に、当時すでに中古品だったのをもらったものだったから、その変化には目を見張るものがある。
 まず、形が変わった。それなりの容量を持ちながら、背が低く安定がよくなった。しかも、給湯口のところが緩い凹形にえぐれており、非常に使いやすい。
 つぎに、なんもかんも電子制御もしくは電気仕掛けになった。お湯は以前のような空気圧ではなく、モーターで出る。給湯ボタンのロックも電気式になった。保温が3段階に選べ、しかも消費電力が節約できる...そうである。
 そして、買う時には気付かなかったが、キッチンタイマーなるものがついた。

 たしかに、タイマーがポットについていたら便利である。操作も簡単で、計る時間が3分なら3回、5分なら5回、ボタンを押すだけだ。1分経つごとに発信音が知らせてくれ、時間が来ると、

 ♪ピャラリ〜〜レラ ピャラリレラレ〜〜♪

 チャルメラのメロディが流れるのである。
 まあ、確かにほとんどの場合、カップ麺を作るのに使うのだが...。先日も、たまにはちょっとお洒落に紅茶でも飲もうと、お茶の葉を計って、ティーポットにお湯をいれて、時間を計って、きちんと蒸らして...

 ♪ピャラリ〜〜レラ ピャラリレラレ〜〜♪

 お洒落な英国風ティータイムが、一瞬にして香港飲茶になってしまう。まぁそれでも、なんだか憎めないのである。



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