デジカメを買い替えた話
2001年11月


 デジタルカメラを買い替えた。
 2年程前に、知人から譲り受けた、私にとって初めてのデジタルスチルカメラは81万画素だった。単焦点だし、読み込みもすばらしく遅かったが、上位機種は高価だったし、読み書きの速度だってそんなものだろうと思っていた。通信販売のサイトに掲載する画像の撮影にも...たいへんに高度な補正を要求されるが...ばりばり現役で使っていたのだが、取り扱う画像のサイズが大きくなるに従って、81万画素ではどうにもならなくなり、じつは半年以上前から買い換えを検討していたのだ。

 カタログや、メーカーのウェブサイトを調べて、機種は既に絞り込んでいた。先頃製造中止になった、OLYMPUSのC-990ZSだ。
 モノ事情に詳しい人なら、「あれ?どうして新しいC-200Zにしなかったの?」と思うだろう。そう、そうなのだ。同じメーカーの同じコンセプトの後継機なのだから、新しい機種の方が、CCDの感度とか、画質とか、目に見えないところではきっと性能が上がっていることは容易に想像できる。しかし、なまじ銀塩フィルムのカメラをいじっている私を惹き付ける仕様が、C-990ZSにはあったのだ。
 まず、レンズが明るい。「デジカメ業界初」らしいが、F1.8という明るいレンズを搭載している(ちなみにこの数値が小さい程、レンズは明るい。C-200ZはF2.8)。また、背面の液晶ディスプレイも画素数が大きく、見やすい。そういう、仕様書にちょいちょいと書けるような、アナログな仕様に弱いのだ。
 そんなに入れ込んでいるなら、なぜ半年も買わずに待っていたのか?答えは簡単、予算とタイミングが合わなくなったのである。
 最初に購入を検討し始めた頃、990ZSはコンパクトカメラタイプの最上位機種だった。5万円近くしただろうか。やがてUSB端子を持ち、パソコン接続用のケーブルやソフトもついたC-200Zが登場し、C-990ZSはめでたく型落ちとなる。すると、値段が下がって...と思っていたら、あっという間に店頭から姿を消してしまった。それで、そのまま保留になっていたところ、近くのカメラ屋さんのセールが始まり、そいつは「展示品限り」ということで店頭に姿を現わしたのだった。
 「これください」
 さぁそれからがまた大変だった。余程長いこと顧みられなかったとみえて、ケースはない、電池はない、ケーブルも足りない...と、店員が大慌てで探し始めた。結局、30分ちかく待たされた挙げ句、純正ケースはベネトンのポーチに変わり、アルカリ電池はリチウム電池に化け、ケーブルは別の商品から強奪され、おまけに小さな三脚までついてきた。わらしべ長者になったようだったが、つまりいろいろなくなったものは出てこなかったのである。
 翌日、福井県の勝山・県立恐竜博物館まで行ってきた。館内は殆ど撮影禁止だったので、帰りの紅葉を撮影してみた。掲載用に加工してみたが、どうやらこれから先、色やコントラストの補正が、ずっと楽になったようだ。



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